柴犬のハチ

僕の名前はハチ。
老夫婦に飼われていたんだ・・・・
ある日、おばぁちゃんが倒れ病院ってところに行ったきり、戻ってこない。
しばらくは、おじぃちゃんと一緒にいたけれど、足の悪いおじぃちゃんは、僕を散歩に連れて行くことができず、
僕は「保健所」っていうところに行くことになった。
僕は、一生懸命おじぃさんに言ったんだよ。
「僕は、おじぃさんと一緒がいい!一人で知らないところに行くなんていやだよ!!」
なんどもなんども、大きな声で ”いやだよ!行きたくないよ!” って言ったけれども。。。
そして、僕はひとりぼっちになった。
僕がいたところは、壁が灰色でとっても冷たかった。
どうして、僕はここにいるのだろう?
いつまでここにいなければならないんだろう?
「だれか!僕をここから出してください。
僕は、外へ出たい・・・」
毎日、寂しくて鳴いた・・・・”おか~さん”っていう人が来るまで。
おか~さんは本当は僕を迎えに来てくれたんじゃないって事はすぐにわかったよ。
だって、僕のことなんて、全然見てなかったし、ちっちゃい黒いヤツの事を抱き上げて笑ってたから。。。
僕はちっちゃいヤツがうらやましかった。そして・・・二人がまぶしかった。
でも、僕を毎日世話をしてくれているお姉さんがおか~さんに何か話しているのが聞こえたんだ。
”膀胱炎”とか”血尿”とか・・・
それって、なんだろう?おいしい物なのかな?ひょっとして食べさせてくれるのかな?
おか~さんっていう人が直ぐに、黒い四角いモノに向かって話し始めたんだよ。
「今すぐ、引き出さないとマズイ」っていってた。
「あとで必ず、書類を出すから」って
そして僕は、突然 外へでた。
まっすぐ病院ってところに行ってしばらくそこで過ごした。
今はおか~さんと一緒にいる。
おか~さんは僕にお話をしてくれた。
僕には新しい家族が必要だって。
僕には家族を選べない・・・・・
怖い人だったら嫌だな・・・
僕を叩いたりはしないだろうか・・・
散歩には連れて行ってくれるのかな?繋ぎっぱなしにはしないのかな?
僕をみて、笑ってくれるだろうか?
ハチ!可愛いねって撫でてくれるのだろうか?
おか~さんがそうしてくれたように、お腹が痛くなったら病院ってところに連れて行ってくれるかな・・
もぅ・・・痛いのを我慢するのはいやだよ・・・・
おか~さんのお話を聞いてから、僕は毎日いろいろ考えては、心配になったり怖くなったり。
心が落ち着かない・・・・
また、一人になったら、。
また、灰色の部屋に入れられたら・・・・
僕の名前はハチ。
柴犬のハチ。
僕のねがいはただひとつ。
僕を愛してください。
ずっと、ずっと人間のそばにいさせてください。
そして、僕が最後に旅立つとき、そっと頭をなでて「ありがとう」って言ってください・・・・


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